第二回特別授業:調理実習担当・白井先生
【10月テーマ】「男子厨房に入る!お父さんの台所塾」
(調理実習担当:白井操先生)
男性向けの料理教室が人気を呼ぶなど、男性の料理への関心が高まっている。イタリア料理やワインブームにのって、本格的な料理を趣味の延長線上で楽しむ男性も増えています。また定年後に妻に促されて料理教室に通う男性も多く、家族や孫に料理を振る舞う人もいます。男性をターゲットにした料理のレシピ本や素材などのうんちく満載の料理雑誌も花盛りです。
最近では、総菜や弁当などで済ます中食(※注1)や外食が増えている傾向もあるが、それ以上に定年後のライフスタイルを充実させたい50代以上のシニア層が料理にのめりこんでいます。
※注1:食料品を購入後に自宅で食べる事
面白いのは、現役時代は仕事一筋、料理はもちろん家事もほとんどしてこなかった男性たちが、定年になった途端に「趣味は料理」になることである。定年後、何かしたいと思ったときに真っ先に思い浮かぶのが、生きるための基本である料理、つまり“食”だったということではないでしょうか。
男性の料理への関心は、シニアに限らず、30代、40代、50代と、年齢層も広がっています。
STEP1【まずは台所にたつ】
ちょっと小腹がすいたとき、酒の肴がほしいとき、好きなものをささっとつくれたらいいですね。まずは台所に立ってみてください。無理をしなくていいのです。単純なものからどうぞ。「簡単でおいしい」、これにこしたことはないのです。
ゆでるだけでも、おいしい料理ができます。たとえばうす切りの肉を鍋でゆがき水気を切って、好みのたれであえる。それだけでもおいしい一品です。みそやしょうゆに薬味を加えたりとあっという間の一品です。ときには菜っ葉をゆがいて水気をしぼり漬物とあえて一品。仕上げに、ごまをパラリとでも良いのです。漬物も利用して自分の味をつくれば良いのです。ただし、単純な料理ほど材料のよさが表れます。生で食べる時は、特に鮮度には気をつけましょう。
電子レンジは使えますか?温めるだけ?それだけではあまりにも、もったいない。
少人数分を料理する、短時間で調理するにはとても便利な道具。ぜひ味方につけてください。ことに蒸しにおすすめです。小さなことですが、注意していることを一つ。加熱後ラップをはずすときは、手前からではなく、必ず静かに向こう側から。熱い湯気が顔にあたって驚かれる生徒さんが意外に多いのです。
STEP2【定番おかずにチャレンジ】
みんなが好きな家庭の味にチャレンジしてみましょう。1つか2つ、自分の食べたい料理を選ぶといいですね。レパートリーは少しずつ増やせば良いのです。家族に「お父さんのアレが食べたい」と言われるようになれば、しめたものです。
お魚がおろせたら料理のレパートリーの広がりはもちろん評判も上々、腕が上がったかのようにみえます。一匹の魚をおろすのは慣れれば簡単です。ここはぜひお父さんに頼ってもらえるため、前へ一歩。魚に挑戦です。台所塾では、はさみと包丁を併用します。骨に身が残ってしまったら、スプーンでこそげて別の一品をつくれば良いのですから。
時間をたっぷりとれるときは、煮込み料理にチャレンジしましょう。料理の奥深さ、おもしろさにはまること間違いありません。あのレストランの味の懐かしいオムレツもできたら最高ですね。卵料理は案外むずかしいのです。
STEP3【家族をいたわる】
「だれかに頼られることが、生きる元気のもと」と以前に聞いた事があります。いたわり合う暮らしができれば快適ですね。パートナーや友人が病に伏せてしまったら、ぜひ料理で励ましてあげてください。傍にいる幸せが伝わります。
例えば、妻の具合が悪くて寝込んだ日、あなたがおかゆをつくってあげたらどうでしょう。お薬を飲む前の胃にやさしい食事です。おかゆをとろりとなめらかに炊き上げるには、少し時間がかかりますから、食べてもらいたい時間を見計らってまず米を洗いたっぷりの水に浸けます。米1カップと水10カップでつくる「五分がゆ(※注2)」を基本に覚えましょう。回復に合わせて、白身の魚の煮物などできれば最高です。
※注2:米の10倍の水で炊いたかゆのこと。ちなみに米の5倍の水で炊いたかゆを「全がゆ」といいます。
おなかを壊したときには、消化のよい麩もおすすめです。豆腐や卵料理など胃の負担の少ないメニューも覚えておきましょう。乾燥品の麩は保存がきくので、出かけられないときのために買いおきをすると便利です。風邪ぎみにはコレ、おなかの調子が悪いときにはアレというように、いざというときの決めの料理があると安心です。
私は、神戸で阪神淡路大震災を経験しました。まさかと思うことが起こったのです。神戸市の保健福祉局の担当の方から当時を振り返って、食の自立の早かった人が暮らしの自立も早かったというお話を伺いました。普段から自分で自分の食事の用意ができることは心強いことです。
今、時代は変わり男性の料理参加が盛んです。でも、男性に料理を教えるには妻のやさしさが大切です。料理を習っている方の中にも、家に帰ると、女房がうるさくてなかなか練習ができないとおっしゃる方がいます。妻の応援は大きな支えのようです。たしかに、散らかる、元の場所にものが戻らない、高いものを買う、意見を素直に聞いてくれないなど、夫を料理上手にするには大変なエネルギーがいります。3ヶ月は忍耐のとき。あとで必ずうれしい日がやってきます。
「お父さんの台所塾」は長い連載になりました。この間NHKのスタッフの皆さんと心がけてきたことは、食材、調味料は身近なものを。作業工程はシンプルに。電子レンジを、温めるだけでなく調理器具としてもっと使いこなせるようになどを考えて、メニューをつくりました。連載中うれしいことに、たくさんの方から励ましやメッセージをいただきました。どれほど心強かったでしょう。本当にありがとうございました。
料理のメッセージは豊かです。そして相手の心にしみます。料理は楽しい。楽しくつくって楽しく食べてください。そして次なる新しい可能性に挑戦してくださることを祈っています。
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◆この記事へのコメント
- 皆さん おはようございます。私は小学校3年生の時から台所に立っています。母親がパートに出かけていたので、春休みや夏休み等給食がない時に出かける前に「お昼はこれを食べなさい」と用意してくれていましたが、いざ食べる時には汁気が出ていたり、冷めていたり(家に電子レンジがない時代でした)で満足できませんでした。そこで材料だけ用意してもらい、最初はAM10時過ぎごろから調理の開始です。やっと出来て食べ終わった頃に時計を見たらPM2時頃になっていました。メニューも毎日毎日チャーハンばかりでしたが10日も経つと家族が食べても「いけるなぁ」と好評でした。そんなこんなの私の料理入門でしたがその後、益々興味が湧き、中学、高校では理科や家庭科が好きになって、やがて食品化学系の大学に進んで、管理栄養士の資格を取りました。33年間食品メーカーに勤務し、今は子どもの通う中学校でPTA会長を拝命し、「早寝、早起き、朝ご飯」の更なる実践と食育に関して市民公募で参画している「食育推進プロジェクト会議」のメンバーとして平成20年度からの食生活の指針策定に関わっております。「美味しい物を食べたい!」という願いから始めた料理ですが今は「バランスのとれた美味しい物を食べてもらいたい」という気持ちで社会に役立つ活動をし続けて行きたいと思っております。
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Posted by いけやん
at 2007年11月08日 09:51
- 私の主人は、「男は外で仕事、家のことは女の仕事」というのが基本的な考えです。
でも、ほんとは子供の頃から料理が好きで、お母さんが働いていたため、おやつにサンドイッチやホットケーキは自分で焼いていたそうです。もちろんホットプレートやホットケーキミックスのない時代でしたから、
フライパンで、小麦粉、タマゴ、水を自分で調整しながら、作っていたそうです。
いつもは、料理なんてしてくれませんが、
休みが続いたときは結構はりきってしてくれます。でも、主人が参加すると、予算もなにも考えてくれないので、あとで泣きそうです。片づけもしませんしね(笑)でも、作ってくれる気持ちが嬉しいので、このことは私の胸の内にしまっておきます。 -
Posted by もこもこ
at 2007年12月13日 10:11
- 料理はまさしく創造性のある作業ですね、やればやるほど奥が深いし、楽しいですし何より
人の笑顔が見えるのがうれしくなります。 -
Posted by たこちん
at 2008年01月13日 19:28
- 料理を作るのは楽しいですね。
食べてくれる人が居るともっと楽しいです。 -
Posted by kitty
at 2008年01月28日 20:28
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